薬効薬理試験

メディフォードでは、医薬品の薬効薬理試験で使用する多様な病態モデルを応用した試験を受託しています。病態モデルについては新旧を問わず、中枢、疼痛、感染症、循環器系、呼吸器系、腎泌尿器系、免疫系、血液系、炎症、アレルギー、消化器系、皮膚、糖・脂質代謝系、がん、および in vitro薬効試験等、幅広い分野の試験を実施しています。また、手術を要する薬効試験を得意としており、コンベンショナル動物、遺伝子改変動物およびミュータント動物を用いた試験の経験が豊富です。そのほか、PCR、フローサイトメーター、各種細胞を用いたin vitro薬効試験についても豊富な実績があります。
近年、細胞製剤(骨髄・脂肪由来幹細胞等)やウイルス製剤などの新規モダリティ対応を進めています。細胞製剤では、肝炎、脳梗塞、心筋梗塞、下肢虚血、関節炎および泌尿器系等に関連した実績があり、ウイルス製剤では、がんに関連した受託実績があります。また、日本人がん患者由来がん移植モデル(PDX)やB型肝炎ウイルス感染モデルなど、多様な病態モデルを用いた薬効評価試験を提供しています。
Service details試験・サービスの詳細
中枢神経系
疼痛(侵害)
神経因性疼痛
- Bennett(足底熱刺激、足底機械刺激、冷感刺激)
- Chung(足底機械刺激、足底熱刺激)
- Selzter(足底機械刺激、足底熱刺激)
神経因性疼痛は物理的傷害による末梢・中枢神経の障害や、機能的障害によって発症する慢性疼痛疾患です。当社はBennett、ChungおよびSelzterモデルの豊富な経験があり、安定したモデルの作製が可能です。
ストレプトゾトシン(STZ)誘発疼痛過敏(足底機械刺激)
糖尿病性の神経障害は糖尿病合併症の一つであり、三大合併症の中で最も早期に発症します。ストレプトゾトシン(STZ)の投与によりⅠ型糖尿病を誘発し、疼痛過敏を評価します。
アジュバント誘発疼痛過敏(ランダルセリット法)
アジュバント誘発モデルは全身性の炎症による痛みを対象としたモデルです。疼痛または抗炎症薬のスクリーニングや評価に汎用しています。
カラゲニン誘発疼痛過敏(ランダルセリット法)
カラゲニン誘発モデルは浮腫による痛みを対象としたモデルです。疼痛または抗炎症薬のスクリーニングや評価に汎用しています。
抗がん剤誘発疼痛過敏(足底機械刺激、冷感刺激)
パクリタキセルなどのタキサン製剤、ビンクリスチンなどのビンカアルカロイド製剤、シスプラチンやオキサリプラチンなどの白金錯体製剤では、高頻度に末梢神経障害による副作用(しびれや感覚障害や痛み)が発現します。
がん性疼痛(転移性骨腫瘍)
がん性疼痛は患者のQOL(Quality of Life)を著しく損なうことから、がん性疼痛に対し適切な管理が求められます。当社はラット乳がん細胞株MRMT-1を同系ラットの脛骨内に移植する骨転移モデルを用いて、がん性疼痛を評価します。
脳卒中後疼痛モデル
脳卒中後の後遺症のひとつである脳卒中後中枢性疼痛(central post-stroke pain: CPSP)は、痛みが永続的に続くことがあり、QOLが著しく阻害されます。当社では、SDラットの視床後外側腹側核に、コラゲナーゼⅣを微量注入することで脳出血を誘発して作製するCPSPモデルを有しています。
変形性関節症(後肢の重量配分、足底機械刺激、熱刺激)
変形性関節症(OA: Osteoarthritis)は関節の軟骨の変性および消失を特徴とする疾患であり、骨・関節の疾患の中で最も発症頻度の高い生活習慣病の一つです。当社はモノヨード酢酸ナトリウム塩(MIA)誘発、前十字靭帯切断、半月板除去、半月板逸脱の各OAモデルラットを有しています。
寒冷ストレスモデル(線維筋痛症モデル、足底機械刺激)
線維筋痛症は原因不明の全身の疼痛(wide-spread pain)を主症状とし、不眠、うつ病などの精神神経症状、過敏性大腸症候群、過活動性膀胱炎などの自律神経系の症状を副症状とする病気です。寒冷ストレスモデルは線維筋痛症モデルとして汎用しています。
学習・記憶
スコポラミン誘発(健忘)
レバーを設置したオペラント実験箱に動物を収容し、レバーを押して報酬(錠剤型飼料)を得ることを学習させます。この行動を利用して短期記憶に対する薬の効果を検討することが可能です。
マイネルト基底核破壊
アルツハイマーモデル(Tg2576)
不安
高架式十字迷路
不安試験法として開発された高架式十字迷路試験(マウス・ラット)を用いて被験物質の抗不安効果が評価が可能です。
Social interaction test
てんかん
カイニン酸誘発モデル
カイニン酸誘発てんかんモデルは、グルタミン酸神経系を強く興奮させるカイニン酸を腹腔内投与することにより、てんかん様症状が数時間にわたって間欠的に持続するけいれん発作重積状態を示すモデルです。
ピロカルピン誘発モデル
ピロカルピン誘発てんかんモデルは、非選択的なムスカリン受容体作動薬のピロカルピン塩酸塩を腹腔内投与することにより、側頭葉てんかんを誘発するモデルです。
脳虚血
一過性中大脳動脈閉塞(栓子法)
中大脳動脈(MCA)を閉塞したラット脳虚血モデル(一過性MCA閉塞)を用いて、脳梗塞巣体積、神経症状またはロータロッド試験を指標に薬の薬効を検討します。当社には豊富な経験があり、安定したモデル作製が可能です。
行動・運動機能
メタンフェタミン誘発(統合失調症)
アルコール誘発運動障害
うつモデル
強制水泳法(無動時間)
動物を逃避不可能な水槽内で遊泳させた場合(強制水泳)の無動時間を指標として、薬の抗うつ様効果を評価します。強制水泳試験は原法に依拠しつつ、当社の実験環境に適合した条件を作出したものであり、豊富な観察経験を有しています。
テールサスペンションテスト(無動時間)
動物の尾を固定して吊り下げた場合(尾懸垂)の無動時間を指標として、薬の抗うつ様効果を評価します。マウスの系統差によるうつ様行動や薬物感受性について検討した背景データを有しています。
LPS誘発うつ病モデル
リポポリサッカライド(LPS)を投与することにより作製したうつ病モデル(マウス)を用いて、強制水泳及びテールサスペンションの無動時間を指標として、薬の抗うつ様効果を評価します。
社会的敗北ストレスモデル
他個体から継続的に身体的・精神的攻撃を受けることにより作製したうつ病モデルマウスを用いて、薬物の抗うつ効果を評価します。
抗疲労
トレッドミル負荷
パーキンソン病
6-hydroxydopamine(6-OHDA)誘発パーキンソン病モデル(ラット)
筋萎縮性側索硬化症(ALS)
ALSモデル(ラット)を用いた試験
※動物の入手には事前協議必要
カタレプシーモデル
低酸素性虚血性脳症(Hypoxic-ischemic encephalopathy, HIE)
新生児低酸素性虚血性脳症モデル(ラット)
作製したHIEモデルを用いて、シリンダーテストやモリス水迷路等を指標として、薬の薬効を検討します。
ラット嚥下障害
両側総計動脈永久結紮モデル(ラット)
6-hydroxydopamine(6-OHDA)誘発パーキンソン病モデル(ラット)
感染症
熊本研究所ではバイオセーフティレベル(BSL)2の動物飼育区域を有しており、BSL2までのウイルス、細菌などの感染実験の対応が可能です。各種ウイルス、細菌を用いたin vivo、in vitroの受託試験の実施体制を整えています。また、当社の治験センターが所有している臨床分離株の使用も可能です。使用菌株をご準備いただくことで、様々な病原体の感染実験が可能です。(BSL2まで)
インフルエンザウイルス感染
黄色ブドウ球菌感染
MRSA感染
マラリア感染
※マラリア原虫を提供いただければ対応が可能です。
ヒトB型肝炎ウイルス
マイコバクテリウム気道感染(要菌株提供)
アスペルギルス肺炎モデル(要菌株提供)
緑膿菌感染(要菌株提供)
大腸菌感染(要菌株提供)
循環器系
高血圧
自然発症高血圧
自然発症型高血圧ラット(SHR)を用いて、被験物質の降圧作用あるいは予防効果の検討ができます。血圧測定はラット・マウス用非加温非観血式血圧計を使用して行います。
食塩負荷高血圧(ダールラット)
Dahlラットは高食塩混餌飼育により高血圧を自然発症します。自然発症高血圧モデル(Dahlラット)を使用して、薬剤の降圧作用あるいは予防効果の検討ができます。血圧測定は非加温非観血式血圧計を使用していますが、カテーテル・トランスデューサーを使用した観血式血圧測定も可能です。
虚血性心疾患
心筋梗塞(虚血-再灌流:急性期、慢性期)(永久閉塞:慢性期)
心疾患の評価として、臨床と同様に心筋梗塞を起こした時点での治療を検討する急性期評価と、予後の心不全予防および延命効果を検討する慢性期評価を実施しています。再生医療分野の試験も受託が可能です。
大動脈弓狭窄
大動脈弓狭窄法
肺高血圧症
モノクロタリン誘発ラット肺高血圧症
大動脈瘤
塩化カルシウム誘発
腹部大動脈瘤(AAA)は放置すれば致死性の高い疾患であり、外科手術が唯一の治療法とされています。当社は、塩化カルシウム惹起によるAAAモデルを有しています。超音波診断装置を用いた腹部大動脈径の計測が可能です。
下肢虚血
大腿動脈結紮法
末梢動脈疾患(PAD)は糖尿病患者や高齢者に多く見られる疾患であり、重症化すると下肢の切断を余儀なくされ、QOL(Quality of Life)の著しい低下につながります。下肢虚血モデルはPADのモデルとして汎用しており、医薬品以外にも骨髄単核球などの細胞成分の再生効果についての研究に多く用いられています。
呼吸器系
急性肺疾患
リポポリサッカライド(LPS)曝露(急性)
急性呼吸窮迫症候群(ARDS)は、臨床的に重症の状態の患者に突然起こる呼吸不全の一種です。特に発症前後の状態を急性肺傷害と呼びます。リポポリサッカライド(LPS)を吸入させることで急性肺炎症モデルを作製します。
肺線維化
ブレオマイシン誘発
特発性肺線維症は肺の高度な線維化を主体とした、拘束性換気障害をきたす肺疾患です。ステロイドや免疫抑制薬に対する反応性が悪く予後不良です。当社はブレオマイシンの肺線維化作用を用いて肺線維症モデルを作製します。
腎泌尿器系
腎炎
自然発症糖尿病モデル
ストレプトゾトシン(STZ)誘発Ⅰ型糖尿病性腎症モデル
全身性エリテマトーデス(SLE)モデル
全身性エリテマトーデス(SLE)は、全身の臓器に原因不明の炎症が起こる自己免疫疾患の一種であり、膠原病の1つとして分類されています。MRL/lprマウスおよびNZBWF1マウスは共にSLE様のループス腎炎を自然発症することで知られており、SLEモデルとして汎用しています。
慢性GVHDモデル
移植片対宿主病(GVHD)はドナー(臓器提供者)の臓器の免疫反応によってレシピエント(患者)を攻撃する症状の総称です。マウスを用いた慢性GVHDモデルはループス腎炎様症状を発症します。
アデニン腎不全
アデニン腎不全モデルはアデニンを負荷させることで2次的に高リン血症を発症し、重篤な腎不全を呈します。
ピューロマイシン腎炎
ラットにピューロマイシンを投与することでネフローゼを惹起が可能です。
腎虚血再灌流モデル
心不全、脱水、出血、腎動脈狭窄・閉塞などにより腎臓の血流が減少した状態から再灌流状態が生じると急性腎障害が生じます。
排尿
排尿障害モデルとして、過活動膀胱モデル(OAB:脳梗塞誘発)、膀胱炎モデル(塩酸、シクロフォスファミド、酢酸、過酸化水素誘発)、下部尿路障害モデル[LUTS:前立腺肥大(BPH)]、腹圧性尿失禁(SUI)および脊髄損傷モデルがあります。評価法は、膀胱内圧を測定可能なシストメトリー法と自然排尿により尿流動態を測定するウロフロメトリー法があります。当社開発の排尿機能測定システムを用いて、継時的に微量排尿の尿流動態の測定が可能です。
過活動膀胱
脊髄損傷排尿障害
膀胱炎(塩酸、シクロフォスファミド、酢酸、過酸化水素誘発)
下部尿路障害(前立腺肥大症)
腹圧性尿失禁
自己免疫疾患、免疫関連
抗原感作 -抗体産生-
「抗体作製業務」、「イムノアッセイ法の開発~検体測定 (GLP対応可)」、「バイオ医薬品の特性試験、保存安定性における測定」、「臨床検体の測定」などの受託が可能です。
全身性エリテマトーデス(SLE)モデル
身性エリテマトーデス(SLE)は、全身の臓器に原因不明の炎症が起こる自己免疫疾患の一種であり、膠原病の1つとして分類されています。MRL/lprマウスおよびNZBWF1マウスは共にSLE様のループス腎炎を自然発症することで知られており、SLEモデルとして汎用しています。
乾癬モデル
尋常性乾癬は、慢性の皮膚角化疾患であり、典型的な症状として赤い発疹とその上に白色の鱗屑(皮膚上皮の角質細胞が剥がれ落ちたもの)を伴う発疹が認められます。症状が目に見える形で現れるため、QOLを著しく低下させる疾患です。
マウスを用いて抗ウイルス剤であるイミキモド誘発尋常性乾癬モデルの作製し、被験物質の薬効評価が可能です。
GVHDモデル
移植片対宿主病(GVHD)はドナー(臓器提供者)の臓器の免疫反応によってレシピエント(患者)を攻撃する症状の総称です。マウスを用いた各種GVHD(急性、慢性)を有しています。
重症筋無力症
重症筋無力症は自己免疫疾患の一つで、神経から筋肉への信号伝達を妨げる自己抗体によって引き起こされます。ラットを用いて受動感作にて病態を惹起します。
炎症性腸疾患(IBD)
潰瘍性大腸炎(DSSモデル、マウス)、クローン病(TNBSモデル、ラット)
血液系
in vitro 血小板凝集試験
血小板凝集作用は血液凝固のために重要な機能ですが、血栓などを発生させることで脳疾患や心疾患など重篤な状態を誘発させる場合があります。血小板凝集試験は血小板凝固薬などの評価に汎用しています。
炎症・アレルギー
炎症・浮腫
カラゲニン誘発浮腫
カラゲニン誘発モデルは浮腫による痛みを対象としたモデルです。疼痛または抗炎症薬のスクリーニングや評価に評価可能です。
イースト疼痛
アジュバント関節炎
アジュバント誘発モデルは全身性の炎症による痛みを対象としたモデルです。疼痛または抗炎症薬のスクリーニングや評価に評価可能です。
Ⅱ型コラーゲン誘発関節炎
関節リウマチ(RA)は免疫機能異常状態を基礎とする慢性炎症性疾患であり、多発する関節炎と急速に進行する関節破壊等の関節症状を主症状としています。Ⅱ型コラーゲンで免疫して関節炎を誘導する本モデルは、関節炎モデルとして評価可能です。
変形性関節症(後肢の重量配分、足底機械刺激)
変形性関節症(OA: Osteoarthritis)は関節の軟骨の変性および消失を特徴とする疾患であり、骨・関節の疾患の中で最も発症頻度の高い生活習慣病の一つです。当社は各種OAモデルを有しています。
アレルギー性脳脊髄炎(EAE)モデル(スコア評価)
実験的自己免疫性脳髄炎(Experimental autoimmune encephalomyelitis:EAE)は、中枢神経組織由来の蛋白質抗原やペプチドを免疫することで誘導される自己免疫モデルであり、多発性硬化症(Multiple Sclerosis:MS)と病態症状が類似していることから、MSの研究等に使用されています。当社は再発・寛解型モデル(SJLマウス)および慢性型(C57BLマウス)の2種類のモデルを有しています。
X線誘発口内炎モデル
アレルギー反応
アレルギーは免疫反応に基づく重要な生体反応です。IgEを介するI型アレルギー、細胞傷害型ないしは細胞融解型のⅡ型、免疫複合体型またはArthus型と呼ばれるⅢ型、細胞性免疫であるⅣ型アレルギーがあります。我々はⅠ型のモデルとして受身皮膚アナフィラキシー(PCA)、Ⅳ型として遅延型反応(DTH)を有しており、それぞれ抗アレルギー薬のスクリーニングに使用が可能です。
受身皮膚アナフィラキシー(PCA)I型
遅延型反応(DTH)IV型
掻痒反応(SubstanceP誘発 / 皮膚炎自然発症)
掻痒はさまざまな要因で惹起される耐え難い衝動です。当社は化学物質誘発による掻痒行動モデルを有しています。化学物質で惹起された掻痒行動を、掻痒行動システムを用いて客観的に評価します。
結膜炎
アレルギー性結膜炎では、花粉症などの抗原によるアレルギー反応により、かゆみ、結膜の腫脹、目やになどの分泌物が生じます。当社はDNP-Ascaris、OVAおよびブタクサなどのアレルゲンを用いた抗原抗体反応によるモデルを有しています。
OVA誘発(アレルギー性)結膜炎
DNP-アスカリス誘発(アレルギー性)結膜炎
ブタクサ花粉誘発(アレルギー性)結膜炎
消化器系
大腸炎
デキストラン硫酸Na(DSS)誘発大腸炎
潰瘍性大腸炎は主に大腸粘膜に潰瘍やびらんができる非特異性炎症性疾患です。DSS誘発大腸炎モデルは潰瘍性大腸炎のモデルとして汎用されています。
2,4,6-Trinitrobenzenesulfonic acid(TNBS)誘発大腸炎
クローン病は消化管に潰瘍が出来る原因不明の慢性疾患です。TNBS誘発大腸炎モデルはクローン病のモデルとして汎用されています。
消化管運動
テレメトリー法による無麻酔・無拘束消化管運動測定
消化管運動専用テレメーターおよびPowerLabシステムを使用し絶食下で、無麻酔・無拘束イヌの胃体部、胃前庭部、十二指腸および空腸の消化管運動能力の測定により、被験物質のイヌ消化管運動への影響の検討が可能です。
下痢
排便障害
排便困難や便失禁等はQOLを著しく低下させます。現在、わが国の便失禁の潜在患者数はおよそ500万人になると推定されており、今後の高齢化社会によりさらに患者が増えると予測されます。現状、薬による治療法は十分ではなく、新たな治療薬の開発が望まれています。新たな治療薬の開発には、モデル動物を用いたスクリーニングが重要ですが、これまでは小動物を用いた麻酔下の実験系だけでした。
当社では、消化管運動測定システムを用いて、イヌの消化管及び内肛門括約筋測定系を立ち上げ、生体反応をより反映できる覚醒下で、被験物質の内肛門括約筋運動に及ぼす影響の検討が可能です。
便秘
低繊維食誘発
モルヒネ(又はジヒドロコデイン)誘発
肝障害
チオアセトアミド誘発肝線維化
チオアセトアミド(TAA)は、肝臓で代謝され、その過程により肝障害を生ずることが知られています。その障害は肝蔵の病理組織学的所見および血中生化学的変化がヒト肝線維症に類似しています。当社では、チオアセトアミド誘発肝線維化モデルを用いて、肝臓機能改善薬の開発における非臨床試験を受託が可能です。
D-ガラクトサミン誘発
D-ガラクトサミンは、肝臓で特異的に代謝され、その過程により肝障害を生ずることが知られています。その障害は肝蔵の病理組織学的所見および血中生化学的変化がヒトウイルス性肝炎に類似しており、四塩化炭素誘発モデルと並んで汎用しています。本試験系は、D-ガラクトサミン誘発急性肝障害モデルにおける肝保護作用を目的とした種々の被験物質の作用を検索するものです。
コンカナバリンA(ConA)誘発
非アルコール性(NASH)
非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)は飲酒歴がないのにも関わらず、アルコール性脂肪性肝炎に似た慢性肝障害を生じる病態です。当社は独自に開発した肝線維化および高脂血症を伴うNASHモデルを有しています。
四塩化炭素誘発(短期、慢性期)
皮膚
創傷治癒
切傷、欠損傷、褥瘡 -床擦れ-
皮膚乾燥(AEW)モデル
A(アセトン)、E(エーテル)を混合した溶液とW(水)をマウスの皮膚に繰り返し、曝露することで皮膚バリアを破壊し、乾燥を誘導します。水分蒸散量および皮膚乾燥による掻痒行動を評価します。
強皮症モデル
全身性強皮症は皮膚や各種臓器の線維化に加え、免疫異常や血管障害を特徴とする難病指定疾患です。当社ではブレオマイシンを皮下投与することで惹起する全身性強皮症およびGVHDモデルで生じる強皮症様モデルを有しています。
乾癬
イミキモド誘発乾癬モデル
サルIL-31誘発掻痒モデル
サルにIL-31を静脈内投与することで掻痒モデルの評価系を構築しました。
糖・脂質代謝系
糖尿病・肥満
1型および2型糖尿病-
糖尿病は神経障害、腎症、白内障などの合併症を引き起こします。血糖値をコントロールすることは合併症の発症を制御する上で重要です。当社はストレプトゾトシン(STZ)で誘発される1型糖尿病、ZDF、GKラット、db/db、KK-Ayマウスなどに代表される2型糖尿病モデルの経験があり、様々な系統に対応が可能です。
高カロリー食負荷-
肥満は摂餌エネルギーと消費エネルギーのアンバランスを特徴とするエネルギー代謝異常であり、多くの生活習慣病の原因の一つです。当社は高脂肪食負荷させる肥満モデル(食餌誘導性肥満:Diet-Induced Obesity:DIO)を有しています。
呼吸代謝測定-
メタボリックシンドロームは内臓脂肪型肥満を共通の要因として高血糖、脂質異常、高血圧が引き起こされる状態で、それぞれが重複した場合は命にかかわる病気を招く場合もあります。食生活の改善や運動などによる予防・改善が重要ですが、治療薬の開発も盛んに行われています。呼吸代謝の測定によって得られる呼吸商やエネルギー消費量は抗肥満効果を知ることができる重要な指標です。
グルコース負荷試験(OGTT)、インスリン負荷試験(ITT)-
高脂血症・動脈硬化
自然発症
高コレステロール食負荷
コーンオイルエマルジョン負荷(脂質の消化吸収抑制)
がん(担がん)
提供いただいた各種ヒト、マウスおよびラットがん細胞株を移植した担がん動物を作製し、抗腫瘍効果を評価します。バイオセーフティレベル(BSL)2を必要とする細胞株の使用も可能です。移植部位は皮下、腹腔内および同所(脳内、胃、膵臓、子宮、前立腺等)が可能です。免疫不全動物(ヌードマウス、ヌードラット、SCIDマウス、NOD SCIDマウスおよびNOGマウス等)の経験があります。そのほか、PDX(Patient-Derived Xenograft)およびPDC(Patient-Derived Cell)を用いた評価も可能です(PDXを用いた創薬支援)。
ヒト腫瘍細胞株 皮下移植・腹腔内移植・同所移植
マウス腫瘍細胞株 皮下移植・腹腔内移植・同所移植
ラット腫瘍細胞株 皮下移植
転移 -肺転移、肝転移
血行性肺転移モデル、自然肺転移モデル、経脾肝転移モデルなどの実績があります。ヒト大腸がん細胞株HT-29を用いた経脾肝転移モデルは、自然転移モデルと比較して再現性に優れています。
脊髄損傷モデル
脊髄損傷は、主に脊柱に強い外力が加えられることにより脊椎を損壊し、脊髄に損傷をうける病態です。一度損傷すると修復・再生されることはありません。
圧坐モデル(マウス/ラット)、切断モデル(ラット)
感覚器
難聴モデル
加齢性難聴モデル、早発性難聴モデル、シスプラチン誘発難聴モデルを保有しています。マウスを用いて、聴性脳幹反応(ARB)の評価が可能です。
筋疾患
筋ジストロフィーモデル
mdxマウス(日本クレア)を用い、筋力測定、ロータロッドテスト、血中CK、骨格筋の病理組織学的検査等の実施が可能です。
老齢マウスを用いた筋力測定
筋委縮モデル、シスプラチン誘発、TNF-α誘発
筋損傷モデル
カルジオトキシン誘発、塩化バリウム誘発、廃用性症候群(ギプス固定)
更年期障害モデル
卵巣摘出モデル
In vitro
In vitro抗腫瘍試験(各種細胞)
提供いただいたがん細胞株(60以上)などを用いた抗腫瘍効果を細胞生存率が50%となる濃度(IC50)等にて評価します。Cell Counting Kit-8やCellTiter-Gloなど種々の検出法(比色法、蛍光法、発光法)による評価も可能です。
クロット溶解試験(各種動物血液)
初代細胞を用いる細胞傷害性試験(肝実質・副腎皮質・神経細胞)
初代細胞を用いて化合物の細胞傷害性を細胞逸脱酵素や細胞生存率をもとに評価します。肝実質細胞(ラット、イヌ、サル)、副腎皮質細胞(ラット、モルモット、イヌ、サル)、神経細胞(ラット)、シュワン細胞(ラット)、ライディッヒ細胞(ラット)の経験があります。
血小板凝集試験(各種凝集素)
ADCC(Antibody-Dependent Cellular Cytotoxicity:抗体依存性細胞傷害)活性測定
抗体に依存した細胞傷害活性を応用した抗体医薬が数多く開発されています。その活性を評価する方法として抗体依存性細胞傷害(ADCC)活性測定があります。当社ではサルまたはヒトの末梢血単核球細胞(PBMC)をエフェクター細胞として用いた経験が豊富です。
CDC(Complement-Dependent Cytotoxicity:補体依存性細胞傷害)活性測定(各種細胞)
補体に依存した細胞傷害活性を応用した抗体医薬が数多く開発されています。その活性を評価する方法として補体依存性細胞傷害(CDC)活性測定があります。当社では市販のヒトおよびウサギ補体を用いた経験が豊富です。
遺伝子発現解析
- 測定法
- リアルタイムPCR測定法
細胞表面マーカー発現解析
- 測定法
- フローサイトメトリー法